こちらはポ○モンと二次創作に関するお絵かきと駄文のブログです since 2004.07.01
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物語とか規制とかの件:源氏物語の『蛍』から
 昨今のアニメ・マンガの規制の件で少々。

 日本人なら誰でも知ってるお話、『源氏物語』つーのがあります。この膨大な物語の中の「蛍」で物語論が展開されているのは有名な話です。
 昨今の規制云々の話を聞くにつけ、規制論者つーのはこれを知らないんだなあ、とつくづく思う訳で。
 なので、今回は少々そのことを書きつつ、物語を書くことと規制という側面について、自分の考えをまとめてみようかなという試みです。
 ご興味のある方は是非読んで貰えれば幸いです。
 続きは下から(・ω・)b




○光の君が語る“物語論”について

 玉鬘が小説に夢中になっているところに光の君がやってきます。このとき光の君は36歳くらい。数えだと思うので、もう少し若いでしょうけど、今の年齢で言ったら、どう考えても50代くらいだ思われ。この時期の光の君は太政大臣、権勢を欲しいままにしている時期で、六条院で超vip生活をしています。
 で、玉鬘ですが、彼女は夕顔の実の娘です。この夕顔、実に頭のいい女で、そこに光の君はグッと来ます。頭は良いけど股は緩い。色気と知性を兼ね備えた、光の君にとって“イイ女”でした。で、色々と逢瀬を重ねる訳ですが、一発やるために立ち入った場所が悪かった。そこで真夜中、女性の生き霊に取り殺されてしまいます。はっきりは示されてはいませんが、どうやらこの生き霊、光の君の愛人、六条御息所だったとか。いわゆる女の嫉妬ってヤツですね。
 死後、夕顔の女房から、夕顔が頭中将の側室ってコトを聞く訳です。むしろ、それまで聞いてなかったのか源氏、と突っ込みたくもなりますが。
 で、頭中将は、まぁ、光の君のライバル、でもすげえイイヤツでして、言ってみればツレであります。そのツレの彼女に手を出した、という状態になっちゃってる訳です。んで、そのツレと夕顔の間に娘を一人残していて、それが玉鬘なのです。言ってみれば、「ツレの隠し子(ツレは把握してないけど)」と言う訳ですね。
 光の君は性格がひねてるので、ツレの頭中将には内緒で夕顔の女房に「世話するぜ!」というんですが、光の君の腹心の家来である惟光くんに「何言うてんのん! そんなことして公になったらえらいことになるわい! やめとけぼん!」と反対されてるうちに、その女房も知らぬうちに赤子の玉鬘とその乳母がこっそり姿を消してしまいます。「惟光のあほ! いいひんようになったやないか!」「うっさいぼん! 自分の立場考えかいあほんだら!」とか会話があったかどうかは判りませんが、それ以来ぱったり消息を掴めなくなってしまう訳です。光の君は残された夕顔の女房の右近を引き取ることにしたそうです。せめてもの縁に、と言うヤツですね。まぁ、この右近、結構美人だったそうですから、光の君としては美人の女房ゲット〜( ´ ▽ ` )ノ だったと思われますが。
 光の君の前から姿を消した玉鬘とその乳母、20年程して大きな動きが。田舎もんの豪族に「ワシの嫁になれー」と玉鬘が求愛受けることになって、それをよしとしない乳母がそこから逃げ出した先で、右近と偶然の再会をする訳ですね。「もしかして玉鬘ちゃん??」「あなたは…?」 どういう会話があったかはわかんないですけど、「うちの雇い主、ぶっちゃけあなたのお母さんの愛人だった人なんだけど、結構いい人でさー( ´ ▽ ` )ノ」と右近が勧誘、「おお! 右近でかした!! それやったらワシの娘言うことにしてこの六条院に住んだらええぞ! 太政大臣のワシやったら、その田舎もんの豪族も諦めよるやろ!」とか源氏が抜かしたかどうかはさておき、これでようやく玉鬘ちゃんは源氏の所にやってくることになった訳です。
 玉鬘ちゃんとしては、言ってみれば波乱の人生ですよ。苦労しまくり。それというのも、光の君のツレである頭中将の愛人が本妻と仲が悪かったからで、娘としてはそんなことはどうでも言いわけです。「おとんもおかんも好き勝手して、しわ寄せはあたしらに来てるやん!! 現実はクソゲーよッ!!」って思っててもおかしくない訳で。挙げ句の果てに、その光の君もたいがい変態さんで、玉鬘に絶賛片思い中の兵部卿宮を紹介する際には、御簾の内側に蛍を放ち、その淡い光に玉鬘の美しい姿が浮かび上がるというイリュージョンな演出をしちゃいます。光の君の「めっちゃ綺麗やろ? でもあんたにはあげへんで(・ω・)b」って演出な訳で、いってみれば自分自身を見せびらかすような変態さんが家主な訳です。おまけに、しょっちゅう自分の部屋にやってきて、側に座るわ、髪を撫でるわ、四六時中口説き始めるわ、なんというか「おっさん歳甲斐考えろや!」と玉鬘ちゃんが悩んでもおかしくない状況です。
 で、当時、それなりに知性の高い上流階級の女性達の間で流行っていたのは“小説”なんですね。現実の史実や、全くの架空の話を、面白おかしく書いた書物。玉鬘ちゃんも例に漏れず、それに夢中な訳です。だって面白いんだもん。
 で、ようやく冒頭に戻ります。
 玉鬘ちゃんの部屋を訪れた光の君は、小説に夢中の彼女に悪態を吐く訳ですね。
「自分が読んでる小説って嘘ばっかりやン? 女ってそんなん好きやなあ(・ω・) 嘘ばっかり書いてあるやンか」
 玉鬘ちゃんはムカ、と来る訳です。
「あんたみたいに、嘘ようけ言わはる人にしたら、そーなんでしょーねッ グッと来てるンやさかい、ほっといてください!」
 光の君、自分より遙かに若い女の子の気分を害しちゃいました。まずいと思った光の君は咄嗟にフォローに入ります。
「す、すまん、disるつもりは無かってん! ……まぁ、確かに、歴史書は事実だけが書いてあるし、なんていうんか、“ニュアンス”? みたいなんは物語の方が詳しいもんなあ……^^;; いやーすまんすまん」
 光の君、とっさに持論大逆転させます。すげえ。
「そやねん、物語はすごいわ。事実だけ書いたらええってもんちゃうわな、確かに。語られる状況とか、その書物の方向性とかで、内容を強調したりってのは必要やわな。坊さんの教典でもそれなりにバイアスかかってたりするさかい(・ω・) うん、“物語”っつーのはすごいよな、うんうん。めっちゃええよな、うんうん」
 セリフの内容は私の方でめちゃくちゃ好き勝手書いてますが、まぁ、大意は概ねこんな感じのことを光の君は言う訳です。小娘に嫌われたくないからねッ☆
「……とか、思う訳やけど、どうだろう?」
「何がですか」
「いや、ほら、自分、いろいろ小説読んでるやろうけどさ、ワシみたいな超破天荒なイケメン中年の話って読んだことないやん? それに、玉鬘ちゃんみたいなコ、なかなかレアやん? 今で言うとこの“クーデレ”?? そういうわしらの話とか小説にしたら、これまでにないような小説になると思うンやけど、どやろ? ^^;」
 光の君、自分の持論を180度展開させるだけでなく、そこからの口説きというアクロバット攻撃です。すげえ。光の君すげえよ。
 しかし、玉鬘ちゃんは更に上手です。
「ばっか……。そんなけったいな話、本にせんでも誰かが勝手に噂話して広まってしまうつーの……」
「けったいな話なあ……。せやな、ワシ、そういうけったいな話、大好きや( ´ ▽ ` )ノ」
 とかいいながら玉鬘ちゃんに密着w おもむろに和歌を詠みます。
「♪勢いで調べたけど、昔から親の言うこと聞かへん子供はおらんへんえ?♪ 親不孝なんはあかん。仏さんに怒られるんやさかい」
 そう言って、このオヤジ、玉鬘ちゃんの髪を撫で回します。いわゆる「よしよし」ッてヤツ。1200年前も、“女の子にはよしよしぽむぽむが効く!”とかレクチャーしてたメディアがあったのかどうかともかく、やってることが全然人の親と違う癖に偉そうなことを言ってます。さすが光の君。すげえ。玉鬘ちゃん、無言で更に無表情。そして玉鬘ちゃんは反撃に出ます。
「♪あたしも気になって昔のこと調べたけど、こんなこと子供にする親なんて出て来おへんかったわ♪」
 光の君の方を睨んだか、ニヤリと笑ったかは原文中に描写がないので判りませんが、玉鬘ちゃんのその反撃に光の君はそれ以上何も言えませんでした、というオチな訳です。


○だらだらと表現と規制について

 ずらずらと長く書いてきましたが、これが(誇張等は山盛りありますが)源氏物語の中で描写されてる物語論の部分です。
 初めて読んだときは、中年光源氏のダメダメッぷりを楽しんだモノですが、『窯変 源氏物語』を上梓した橋本治が、『窯変〜』の全巻刊行後、前後編のエッセイ集としてまとめた『源氏供養』の中で、かなり詳しく解説してなるほど! と思った解釈が非常に面白かったのです。
 源氏物語の中で“小説”という描写、いわゆるメタ表現の部分なんですけど、これはその源氏物語が書かれた当時に既に結構な数の“小説”的なるモノが存在していたことを示します。そして、その中で、“小説”は女子供が楽しむもの、と位置づけられています。権力を手中に収め、現実の謳歌できる殿方達には余り好ましいとは思えないもの、とも。
 それら“小説”中の登場人物達の心理に共感したり興奮したりして、ほんのひととき、現実から避難するための装置が“小説”となっている訳です。
 現代を生きる私達が考えねばならないのは、現代においても“小説”、ひいては創作領域にある全てのものはつまり、現実からの逃避装置であるということです。逃避という言い方が悪ければ、“現実からの受け皿”と言い換えてもイイかもしれません。
 先に挙げた玉鬘の物語で示されている通り、現実の世界で苦労の限りを体験せねばならなかった玉鬘が、その逃避先、魂の安息所として機能したのは“小説”という“嘘で構築された場所”です。現実ではないからこそ、そこで魂を遊ばせることが出来る訳です。そして、再び、困難が待ち受ける現実に舞い戻ることが出来るのです。
 “小説”、……こう言い換えましょう。“創作物全般”は、現実とは違う内容であるからこそ、現実に生きる人の心を鷲掴みにするのです。そして、その仕組みは1200年以上昔から何一つ変わっていない、ということなのです。
 昨今、物語の規制が叫ばれます。センセーショナルな犯罪が発生すれば、すわマンガやアニメの影響か!? と知識人達は大騒ぎします。そうでなくとも、「若者がはまるアニメの異常性!」とかって扇情的なタイトルでヲタ批判、これってそれこそ感情論の暴走であり差別意識も甚だしい批判方法だと思うんですけど。
 これ、まるっぽ、さっき挙げた玉鬘と光の君の“小説”にまつわる有り様と全く同じですよね? クールジャパン? 海外で評価が高くなってきたからいいんじゃない? はぁ、そうですか(・ω・) ですが、エロいのはけしからん? だけど、そこに文学性が感じられて作家が見目麗しい美形作家ならメディアで引っ張りだこ? はぁ、そうですか(・ω・)
 アニメやマンガを批判する知識人達は知るべきです。単純に批判する様は、美貌の玉鬘の前で持論がコロコロ変わる下半身厨の光源氏と何ら変わらない滑稽な姿ですよ? と。あ、容姿も光源氏のように美しかもしれませんね(笑)

 批判論者の方、知っておいてください。
 “創作物全般”を消費する側の人間は、“創作物”を“うそ”だと判っています。“うそ”なんです。“夢物語”なんです。“現実とは違う”とはっきり判っているんです。現実とは違うからこそ、現実からの逃避先として機能できるんです。そして溜飲を下げ、再び現実に立ち返ることが出来るんです。現実は我慢できないほど苦痛ばかりですけど、フィクションの世界だからこそ、そこで落ち着くことが出来るんです。むしろ、嘘を嘘と見抜けない批判側に差別意識があるんじゃないですか? 差別意識はあるけど、現実と非現実の判別力はないんじゃないですか?
 え? 源氏物語は古典であり、内容も優れている文学だからこそ成立するものなのだですって? まだ評価が定まっていない、海のものとも山のものともつかないアニメやマンガを同列に考える事は愚の骨頂?
 じゃあ、反対に問いますけど、評価が定まっていないモノは、それだけで価値がないんでしょうか? そんな事は仰らないですよね? それなりに美術に興味のある方だったら、ゴッホが存命中は全く評価されていなかった訳ですが、今は近代美術史を語る上で重要な作家であることは明らかなんですけど? つまり、評価が決まるのはいつになるかは判らないって事ですよね? だったら、今のアニメやマンガもそうじゃありませんか?
 え? なになに? 扇情的すぎる? 不道徳? ふむふむ、それは確かに一理ありますね。だからこそ、ゾーニングの徹底を行えばいいのではないですか? 少なくとも同人の世界に関わる当事者達は、そのあたりかなり高い意識で対応していますよ。むしろ、批判論者の方自体が、既にゾーニングされてる作品をメディアに晒して「けしからん!」と仰っているのではありませんか?
 問題はそのゾーニングの線引きそれ自体なんです。どこまでをR-18にするのか、どこからを全年齢にするのか。これについては議論をすべきですし、改善すべき部分はどんどん変えるべきでしょう。コンセンサスが取れるのであれば、みんなより良くすることにやぶさかじゃないと思います。
 それらの議論を進めずに、マンガ・アニメはけしからん、と十把一絡げで批判するのはお避け下さいますようお願い申し上げます。



 まぁ、それはそうとして、源氏物語はやっぱり面白いですよ。主人公は勿論、ヒロインの女性達、ひいては味のある脇役たちまで、それぞれの行動原理や心理的な動きを考え始めると、現代の物語でも太刀打ちできないほどにダイナミックです。
 ポケジャンルの同人が描けなくなったら、源氏物語の二次創作やってみたいわw

 ではまた(・ω・)b
ちょっとした話 | 19:21 | author : ako | comments(0) | -



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